About

会長挨拶

「想いをカタチに」

日本のモビリティ産業は、これまでも、そしてこれからも「かたち」を通じて時代をつくっていく産業です。そのかたちに命を吹き込むのが、私たちモデラーという存在です。

モデラーは、単なるスタイリングの具現化担当ではありません。クリエイターとエンジニア、ビジョンと現実のあいだをつなぎ、感性と技術の両輪で未来をかたちづくる、非常に高い専門性を備えた職能だと私は考えています。

日本カーモデラー協会(以下JCMA)は、そんなモデラーたちが、企業という枠を越えてつながり合い、語り合い、学び合う場として発足しました。各社がそれぞれに培ってきた知見や文化を持ち寄りながら、よりよい「ものづくり」への思考を交差させていく。そこにこそ、JCMAの存在意義があると感じています。

特に若手モデラーたちと接していると、強く思うことがあります。みな、クレイであってもデジタルであっても、ジャンルにとらわれず、自由に、そして楽しそうにものづくりに没頭しています。彼らが共通して語る言葉があります。それが「想いをカタチに」というフレーズです。この言葉には、ユーザーへの配慮や情熱だけでなく、仲間との信頼や、現場の空気感まで含まれています。そしてこの“カタチづくり”には、加工や構造、素材など多様な知見をもとに現場を支える、多くのモデラーたちの力も欠かせません。派手ではないかもしれませんが、その専門性と工夫の積み重ねが、モビリティのリアリティを支えているのです。

私はこのフレーズに、これからのモデラー像、そして業界の未来に対するヒントが詰まっていると感じています。今回、JCMAのウェブサイトをリニューアルするにあたっては、そうしたU-35世代の若手モデラーたちの声に耳を傾けながら、「開かれた業界」「伝わる職能」というテーマを意識して構成しています。とりわけ、会社の枠を超えて連載形式で若手モデラーを紹介していく企画は、次世代の育成、ひいては社会的な認知の拡大にもつながるものと確信しています。

また、モデラーという職業は高度な専門性を持ちつつも、独りでは成り立ちません。だからこそJCMAでは、企業の垣根を超えた“相互研鑽”を重視しています。会社の違いを超えて、同じ志を持つモデラー同士が互いを高め合い、支え合い、ときには刺激し合うような場を、これからも築いていきたいと考えています。

JCMAはこれからも、モデラーという職能の社会的価値を広く発信し、その魅力と誇りを次世代へとつないでまいります。このウェブサイトが、ひとりでも多くの方にとって、“モデラーという仕事に出会うきっかけ”となることを願ってやみません。

2025年 秋
日本カーモデラー協会(JCMA)
会長 山本 学(トヨタ自動車株式会社)